『香港ドルの解説書としては日本一』
人民元とともに現在、最もホットな話題となっている香港ドルについて
おそらく日本で一番詳しい書物であろう。
日本では香港ドルのことを1米ドル=7.8香港ドルの
ドルペッグ(固定相場)制だとする理解が大勢だが
実は香港ドルの通貨システムはペッグ制とは少し違うカレンシーボード制である。
本書は現在までのところ詳述されることのなかったカレンシーボード制につき
英国圏で採用され始めたその歴史から書き起こし、
次に香港ドルの歴史から、現在の通貨システムの採用と
今後の展望にまでふれている。
普段通貨金融に親しんでいないと
ややわかりにくい記述も少なくないが、
人民元の陰に隠れてはいるものの
その重要性が指摘される香港ドルとその通貨システムにつき
これほどの良書を私は知らない。